コラム ボトルディギングをしてわかったこと

【はじめに】
2019年11月からボトルディギングをはじめ、4ヶ月ほど経過しました。
家が拾った瓶であふれてしまったため、ある程度処分できるまで休止せざるを得ないと思っています。
わずかな期間ではありますが、ひと段落した現時点までにわかったことをいくらかアウトプットしておきたいと思います。
あくまで自分のような初心者向けの情報となります。また、本ページによる一切の事項について免責とさせていただきます。ご了承ください。

ボトルディギングとは何か、また、その他専門用語については、他の方がブログ等で解説されていますので参照してください。

私は地方都市に在住しており、自宅周辺の地面という地面はほとんど舗装されていますが、幸いなことに車で30分程度ドライブすれば、 ある程度の里山・水田が広がる郊外へ出ることができます。
探索しているのは主にそういった地域です。

【ハケの場所】
4ヶ月間でハケの探索に行った回数はのべ25日。
そのうち、小規模なものや・古い不法投棄を含みますが、発見できたハケは27箇所です。
1970年代以降のみと思われる不法投棄についてはカウントしていません。

発見できた詳細なシチュエーションを表に示しました。

<表>


ハケ27箇所中18箇所については山地で確認できた一方、平地では9箇所しか確認できておらず、2倍の差が生じています。
これは、平野部のほうが区画整理や都市開発が進んでいることから、発見が難しいためであると考えられます。

発見シチュエーションとして最も多かったのは、家屋からさほど離れていない林の中です。
廃屋の裏山や、玄関口から道路までの間などです。
家のどちら側にあるか、また、斜面上か斜面下かといった点については、現時点で一定の傾向は見られませんでした。
現代の生活に当てはめて考えても、ゴミを遠くまで運ぶことなく近くで処理したいというのは当然の感覚でしょう。
ハケを見つけたければ廃屋周辺を探すとよいですが、多くの場合、見つけることはできても掘ることはできないでしょう。

次に多かったのが、集落間を繋ぐ小道の脇、寺社周辺、集落最奥部の林内です。
まず、集落間を繋ぐ小道での発見事例はネットの情報などでも目にすることが多いと思います。
ここでいう小道とは馬車が通れる程度かそれより少し狭い未舗装路で、こういった道ではハケがある確率が高いです。
ただし、今では大部分が道路整備等により周辺のハケごと舗装されていると思われ、小道自体の発見が難しい状況です。

寺社周辺についてもネット上で言及されていることがあります。
ただし、寺社全体数に対し、ハケが存在する寺社の数は極めて少なく、発見効率は悪いと思われます。
私が発見した4例に限って言えば、すべてが参道入り口から本殿に向かって左側の敷地境界にて発見しています。
単なる偶然と思われますがもしかしたら地域性などが関係しているのかもしれません。
また、意外にも昭和に入ってから建てられたり、改築、増築された神社が多く、こういった新しい神社でハケを見つけたことはありません。

集落最奥部の林内について、谷沿いに立地している山間部の集落は、最奥部(上流側)が林となっていることが多く、林道が続いていればそういった場所を探すことでハケを見つけることがあります。
状況としては集落間の小道と似ています。

その他、古い農地の隅、墓地周辺、河川や池の周辺などで発見事例があります。

古い石垣があるような農地跡の隅には、農薬瓶や殺虫剤の瓶を中心とした小ハケを発見することがあります。

また、ネットでは墓地というキーワードが多く出てきますが、私が実際に発見したのは平地での1か所のみでした。
山地の墓は小高い山や丘にあることが多いですが、そういった場所の周辺でハケを見つけたことはありません。

沿岸部での発見事例もネット上に散見されますが、探索範囲内では自然海岸が少ないためか、発見することができませんでした。
地域によっては海沿いを探し歩くと効率がいいようです。
河川・池については、河川や池そのものをゴミ捨て場としているような場所、堤防の一角をハケにしている場所を確認できました。

例外的に都心部の舗装されていない駐車場で戦後間もなくと思しきハケのような場所がありました。
かつて住居だったものと思われます。ネットにおいても空き地で瓶を拾った事例は多いです。

すべての発見場所で共通するのは、当然ですが古くからある集落の近辺という点です。

ハケを探すのは難しく、簡単には見つかりませんが、根気よく探していればいずれ見つかります。
そういう意味では、希少生物や、鉱物を探すより容易だと思います。
これらは、いる環境・ある場所でないと絶対に見つかりませんが、人は至る所にいますので、意外に痕跡は多いのです。

【ハケを見つけたら】
ハケを見つけて掘りたい場合は当然ですが土地所有者の許可が必要です。
山地の集落であれば地元の方が散歩や農作業をしている場合が多いので挨拶し、所有者を訪ねます。
私有地であれば承諾を得られる場合がありますが、国有林、県有林といった公有地の場合は基本的に許可は下りません。
河川の場合は河川管理者に問い合わせます。投棄されたゴミを拾う旨を伝え、指示に従います。

無断でハケを掘る行為は、各種法令において処罰・賠償責任を負うことがあります。
刑法 :窃盗罪
民法 :土地所有権の侵害
河川法:掘削
その他公有地の現状変更

等の行為にあたる可能性がありますので注意しましょう。

このあたりのマナーについては、他の方がブログ等で解説されていますので、参照されたうえ、自己の責任において行動してください。

【ガラスが出ない地域】
これは結論を出すに至っていないのですが、いくら探してもハケどころか、ガラスがほとんど見つからない地域があります。
私の祖母が育った地域がそれです。

その理由について祖母に尋ねたところ、戦時中〜戦後まもなくの物資不足のころ、ガラスを買い取る業者があったそうです。
その業者は子供からもガラスを買い取るので、村中の子供たちがお小遣い稼ぎのために落ちているガラスを拾って売りに行ったそうです。
祖母も、河川や水路、林内に落ちている瓶を拾っては売りに行き、時には1日中ドブさらいをしてガラスを集めていたそうです。

そういったことで、この地域には瓶は欠片たりとも残っていないのでは、ということでした。

戦中〜戦後まもなくの瓶、主にクリーム瓶を見ると、物資不足からか、様々な色のガラスを混ぜ合わせた黒いものがあります。
こういったところから買い集められたガラスを使用していたのでしょうか。

【ガラス瓶を調べる方法(模索中)】
ガラス瓶は、その美しさや発見する楽しさもさることながら、その種数の多様さも大きな魅力の一つと思っています。
拾った瓶を分類し、それぞれどんな商品名で何が入っていたのか、いつ流通していたのかを知ることによって、より愛着や興味を持つことができます。

しかしながら、それらを調べるにあたっては文献が少ないうえに手に入りにくいものも多く、また、ネット上にそれなりの情報量はあるものの、 データベースや図鑑のようなものはあまり見受けらないことから、初心者にはとっつきにくいと感じざるを得ません。

私も瓶を調べる一助になればという想いでこのウェブサイトを作成しましたが、個人1人のコレクションでは満足な情報を提供するのは 難しいでしょう。

私が瓶の種類の特定のため、参考としているウェブサイトを紹介します。
※掲載に問題がある場合はお知らせください。

●一般財団法人 日本粧業会 資料館(http://www.tga-j.org/documents/)
 戦前からの化粧品の広告付きの業界紙が掲載されている。化粧品関連の瓶はとかく種類が多いが、1949年以降は広告に商品写真が多用されるようになり特定の参考になる。

●一般社団法人 北多摩薬剤師会 おくすり博物館(https://www.tpa-kitatama.jp/museum/index.html)
 さまざまな古い薬が掲載されている。目薬、薬瓶などの特定の参考となる。薬の歴史も紹介されており勉強になる。

●ビンの博物館(http://www.cosmos.ne.jp/~norioa/topmenu.htm)
 飲料がペットボトルに移行する前のさまざまな瓶が紹介されている。

●漂流乳業(https://www.citymilk.net/)
 牛乳瓶に関してはここを見ればほとんど網羅されている。

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